小学四年生のリクエストは天草四郎だった。〜天草四郎の逃走開発記〜

8月20日

「たのしい遣唐使」が子供達にヒットし、ウズラクラウドファンディングもちょうどスタートしたこの日。講座に参加していたある小学生からリクエストを受けた。

「そんなになんでもカードゲーム作れるんだったら、今度は天草四郎のカードゲームを作ってよ」

小学四年生がなんでこんなことを知っているのかと驚く人がいるかもしれないが、僕は特に驚かない。

子供がよくわからないyoutuberにハマって、そこでよくわからない知識を身につけている昨今において、学校の授業で習っていないはずのことでも自然と覚えている小4がいても珍しくないのだ。

まあ、僕が講師を勤めさせてもらったこの講座に来てくれるキッズはだいたい学年に不似合いな知識を持っていて、それをごく当たり前のようにシェアしてくるようなキッズだった。

天草四郎で作るんだったら、たぶん隠れキリシタン関連になりそうだな。

彼は第一弾の合戦の天草四郎バージョンになるだろうくらいにしか思っていなかったが、天才カードゲームデザイナーの僕からしてみればそれはおもしろくなかった。

が、どちらにせよウズラのクラウドファンディングにかなり時間と手間を取られていたというか、ウズラにそのときのエネルギーの全てを注いでいたので、新しくカードゲームを作る余裕もなかった。

ウズラのクラウドファンディング終了後、かなり燃え尽きたかのように怠い日々を過ごしていた。

退屈だな、と思いながらも、動けるエネルギーがないのを言い訳にのんびりと過ごしていたが、その中でなぜか「息抜きにカードゲームを作ってみるか」という発想になった。

そんなテンションでしか、歴史カードゲームは作りたくないのである。逆に、こういうテンションだから、面白いものになるのだろう。テーマを隠れキリシタンにしたのも、彼からリクエストを受けていたことをたまたま思い出したからである。

シュタインズゲートにでてきたあのゲーム

パンデミックというゲームがある。やったこともなければ、ルールを知っているわけでもない。

たまたま、シュタインズゲートを再度見返していたときに作中でてきたことだけは知っていた。

ウイルスカードとそうじゃないカードが相手にわからないように伏せてあって、それを当てたりするゲームなのではないかと記憶している。

ウイルスカードの代わりに「踏絵」をやらせてみたらそれっぽくなるのではないだろうか。

題材とするゲームは決まった。ちなみに、このゲームを作った今でもパンデミックのルールは知らないため、ゲームに輸入されたのはウイルスカードを踏絵にするくらいでとどまった。

それから、将棋のように駒を進めてゴールの生月島を目指す….みたいなゲーム設計にしたのだが、冷静に考えれば天草四郎は島原の乱で幕府軍に対して最後まで戦っているから、これだと嘘歴史になってしまう。

まあ、if展開ってことで、「もしも天草四郎が島原の乱から逃げて、生月に向かっていたら?」というストーリーにした。ちなみに、生月は私の父方の実家であり、隠れキリシタンの聖地として有名であるから選んだ。厳密に言えば、隠れキリシタンと天草四郎たち潜伏キリシタンとは別物であるので、それでよかったのかどうかは知らない。まあ、生月島にも隠れキリシタンだけでなく、潜伏キリシタンがいるのだから問題ないだろう。世界遺産登録の時にはなかったことにされたけど。

正直、天草四郎だけで良かったけれども、ついでに板倉重昌などの幕府軍にも有名人を起用することにした。そっちの方が面白いじゃん。たぶん。

幕府をどれだけ進めて、天草四郎たち隠れキリシタン勢力がどれだけ逃げ回れるようにするかのコマ数設定が大変苦労した。

1人で地道にテストプレイをして回して、それぞれ一回ずつや二回ずつを試してみてもどれもうまくいかなかった。

で、何か降りてきたのが「全員で4マス進める」という進ませ方。なるほど、これだったら戦略の幅が広がって、バランスもよくなる。これでリリースしてみよう。

その後、何人かの人と対戦してみたが、結構面白いゲームになった。

基本的に幕府軍が若干有利ではあるけれど、潜伏キリシタン軍で勝った時の達成感がとても高かった。

うん、これは文句なしに面白いゲームだ。妻である水流苑まちからは「今までのゲームで一番面白い」とまで言われた。ちなみに僕のお気に入りは遣唐使と合戦だ。

ただ、2人でしか遊べないのでワークショップには向かないなと思ったゲームだった。

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もしも、天草四郎が原城で戦わずに生月島に逃げていたら?というゲームです。

『逃げる潜伏キリシタンVS追いかける幕府軍』のゲームで、シンプルでわかりやすいのに策略次第でいろんなパターンがある心理ゲームです。

【ゲームの進め方】


潜伏キリシタン軍:4枚のキリシタンカードの裏向きにして、その配置を考える。
幕府軍:4枚の隠れ家カードの配置と2枚の幕府軍カードの配置を決める。(隠れ家カードは、幕府軍をスタート地点に戻すことができて、そこにいる間は捕まらない「隠れ家」と隠れ家カードを踏んだキリシタンカードを捕まえる「絵踏」の各2枚)

②潜伏キリシタン軍の先行でゲームをスタート。それぞれの軍で合計4マス進める。

③勝利条件
潜伏キリシタン軍:天草四郎1人が敵陣のゴールにたどり着くor潜伏キリシタン2人が敵陣のゴールにたどり着くと勝利
幕府軍:天草四郎1人を捕らえるor潜伏キリシタン3人を捕らえれば勝利

時代:江戸時代初期

出てくる人物:天草四郎、板倉重昌、松平信綱

プレイ人数:2人

対象年齢:5歳〜(シンプルなルールなので、小さなお子様でも楽しむことができます。)

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