ウズラ農家との出会い
まずは私と浜名湖ファームの出会いについてお話しします。
何も接点がなかったウズラに私が接点を持ったは二〇一八の夏。当時大学生だった私の友人が突然ウズラブリーダーとして、ペットショップを開業したのがきっかけでした。
彼は、地元浜松で民泊を運営している関係で、浜松と東京の二拠点生活をしており、大学にヒッチハイクで通学していました。
もともと両親がペットショップ業をやっていたらしく、それを引き継ぎ、仕入れが安価で人気もあるウズラを取り扱うことにしたそうです。
その彼がウズラを仕入れていたのが浜名湖ファームでした。私がそこに初めて訪れたのは二〇一九年の二月。彼はすでに別の事業に力を入れていることもあって、すでにウズラの販売をやめていたのですが、たまたま彼と共に豊橋に行く機会があったので寄ることができました。わりと突然の連絡で訪れたのにもかかわらず、浜名湖ファーム代表の近藤社長自らヒナの育成場所を案内してくれたり、卵味見させてもらったり、ウズラの生態を語りまくってくれたのです。
ウズラの可愛さに触れ、卵の美味しさに触れ、さらに大量の商品になれなかった卵をもらえたことから浜名湖ファームの虜になってしまいました。
また、興味深いのは、近藤社長がフラっと訪れた僕らに「もっと普通の人に知られたいんだけど、どうしたらいい?」とかなり真面目に相談していたことです。「え?フラっと来た人にここまで踏み込むの?」と。ところどころ挟まれるウズラ雑学の面白さも相まって、さらに浜名湖ファームへの興味関心が高まりました。
それから面白がって、いろんな人を連れていき、行く度に知らなかったウズラ雑学を教えてもらい、さらに美味しい卵を安く大量に買えたこともあって、近藤社長からもしっかり顔を覚えられました。
近藤社長がいつも新商品の売り方を相談されていたので、ひとまずオンラインショップを立ち上げてみてはと答えました。当時、私自身がSTORES.JPというサイトを使ってオンラインショップを立ち上げていたので、その箱を作ること自体は全く難しくありませんでした。
「バイト代出すから、作ってくれない?」と近藤社長から言われたこともあって、サイトを作ることに。
ついでに、当時、私が遣唐使をテーマにした学習カードゲームに近藤社長が興味を持ってくれたこともあって、浜名湖ファームのカードゲームを作ることにもなりました。
その1ヶ月後に浜名湖ファームに三泊四日ほど泊まり込みでECサイトの作成およびカードゲームの開発を実行しました。
しかしながら、果たしてこのままでいいのだろうか?とも思いました。
浜名湖ファームで作業していると、たまーに地方にありがちなよくわからないwebコンサル的な営業がやってきます。
その人たちは、ある高額な利用料のいる全く聞いたこともみたこともないオンラインショップ作成サイトを提案され、その利用のために高額な開発費を盛り込んでいました。
相手がよくわかっていないだろうという前提の下、あまり需要のなさそうなその場しのぎの商売が地方のweb業界で蔓延していることに何か違和感を感じてしまっていたのです。
その違和感について考えた時に、せっかく作ったオンラインショップを作りっぱなしでは終わらせてしまっては、彼らと同じようになってしまうのかもしれないと思いました。
今後も浜名湖ファームを知った人たちが継続的に浜名湖ファームに関われるようにするために、ECサイトを作るのが目的なのに、その箱を作りっぱなしにしておくのは実に勿体無い。
なので、まずは今までやっていなかったやり方で新しい人たちに浜名湖ファームのウズラを届けたいと考え、今回のプロジェクトでカードゲームと浜名湖ファームの製品を同時に売り出してみる手段の一つとしてクラウドファンディングをスタートさせることにしました。
このような話を近藤社長にしたところ、社長は大喜びでその提案を受け入れてくださりました。
そのような経緯でこのクラウドファンディングはスタートしました。
week.1 浜名湖ファームを知り、カードゲームを作る。
23日夜に浜名湖ファームのある新所原駅に到着し、そこから浜名湖ファームに向かった。
浜名湖ファームは新所原駅から車で7分~8分ほどのところ。この日は夜風にあたりたい思いから、徒歩で浜名湖ファームまで向かった。
夜ご飯を食べながら、カードゲームを作るためにうずらの生態についてサイドレクチャーを受ける。
泊まる予定の空き家の整備が追いつかなかったこともあって、近藤さんから三日間ホテルをとってもらうことになった。
初日の夜はワクワクして仕方がなかった。
その日のうちにカードゲームの大まかなルールを決め、明日に備えてそれを寝かせることした。
翌朝、浜名湖ファームの中で卵の写真および商品の写真を撮影。
商品になれない卵、食用にすら怪しい卵をも撮影し、それらも含めてカードゲームで使うことにした。
頼まれていたオンラインショップに使う写真はこの日で揃った。
夕方には近藤さんが有名な静岡みかんの産地である三ヶ日に浜名湖の夕日を見るツアーに連れて行ってくれた。写真素材はたくさん揃った。あとはカードゲームだけだ。
三日目。この日は撮った写真を実際に組み合わせて商品ページを作っていく作業だ。
最初の一日ですべて終わらせるつもりだったので、近藤さんと別れたあとも作業にあたっていたこともあり、この日には大方浜名湖ファームのオンラインショップを作り上げることができた。
カードゲームについてもテストプレイ用に紙を切って一人でプレイをしてみることに。
思いの外、自分自身でルールを飲み込むことができずに苦戦する。
なので、テストプレイはおいといて、先にカードのデザインを進めることにする。
妻でありイラストレーターである水流苑まち先生に雑にうずらの絵と近藤さんの絵を書いてもらい、それをカードの中に組み込む。
この日にはオンラインショップもカードゲームもほぼできていた。
最終日には近藤さんにクラウドファンディングで利用するためのインタビューを。さらにオンラインショップ告知用のチラシを作成。
台風が近づいていたこともあって、夕方3時くらいにすべての業務を終了させる。
残りのテストプレイは奈良の家で行い、ここでようやくカードゲームのルールが落ち着いてきた。
week2:事前広報をしつつテストプレイに夢中な日々
初期のうずらカードゲームのバランスはかなりひどかった。バランス調整のために何度もテストプレイをすることになった。
はじめは水流苑まち先生と二人で。その後は友人のコミュニティスペースの人たちとやることで。
遊ぶ人数が決まり、ペナルティが決まり、ボーナスが決まり….。最終的に、いろんな意味で真っ当に育てるのが一番スコアが高くなるようなゲームバランスになった。
テストプレイから、カードゲームの細かいデザインを決め、最終的なデザインも完成した。
幸い、この数日後に東京で子供向けの1day夏期特別講習の機会をもらったので、そこの休み時間で子どもたちとうずらのカードゲームで遊ぶ。
子どもたちにうずらのカードゲームはかなり受けてくれたようで、ゲームデザイン及びカードデザインをこの時点で確定させる。
その他、もともと作っていたカードゲームを使ったワークショップをやる予定もあったので、そこでもうずらカードゲームをプレイさせてみる。
評判はかなり良かったようで、大ヒットだった前作を差し置いてうずらカードゲームの2ゲーム目を楽しんでいた。
これでかなりの自信をつけたので、カードゲームの印刷を注文。ついに、カードゲームが実体を持つことになった。
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このカードゲームはウズラを育てて、良い卵をたくさんつくる過程を通して、普段私達がスーパーで目にするウズラの卵がどのように生まれてくるのかについて考えるゲームです。
農家の私を動かすことによって、うずらを増やしたり、うずらに餌を上げて育てたり、空気調整をすることでうずらのストレスを減らしたり、うずらにより良い餌をあげるために畑に向かわせたりと、うずらの卵を育てる命の物語を体験することができます。
当然、うずらに楽に卵を産ませることができるワクチンも使えたり、育てたウズラのヒナがたまたまオスだったりすることもあります。 勝敗のための得点は「うずらの卵の数✕それぞれの質+ウズラ自身の質の良さー病気になってしまったウズラの数」で計算されます。
また、よりウズラに親しんでもらうために、ウズラ一匹一匹に名前がついていたり、ウズラごとに個性を解説していたりします。
プレイ人数:1人〜4人 対象年齢:7歳〜
(小学一年生でも一度ゲームをやってみたらすぐにわかる程度です。)